なぜ高校野球の東京代表は弱いのか?理由を考察してみた

高校野球は毎年盛り上がりますね。

甲子園大会が好きでよくテレビで見たり、現地に見に行ったりします。

都民なので東京代表を応援しているのですが、東東京も西東京も甲子園大会でいまいち勝ててないような気がしています。2011年に日大三高が夏を制して以降、優勝から遠ざかっています。

もしかして、東京って弱いの?なんて思うこともしばしば。

でも、その理由も分かるような気がしています。個人の感想になりますが、東京があまり勝ててないと感じる理由を考察してみました。

 

1.中学受験するから

こちらのサイトによりますと、東京都の学童・少年野球人口は減っているらしいです。

▻ 学童・少年野球人口の減少に関してのレポート【都道府県別減少率あり】

2010年から2020年の間で、東京都は一番減少していて、12418人減少、41.39%だそうです。悲しいですね。

ところが、東京都の子供の数はこの間増えています。

では、その子達は何をしているかというと、いろいろあると思いますが、おそらく中学受験にもかなりの人数が流れていると思います。

▻ 首都圏の中学受験、9年連続で増加…難関校は横ばい・新たな教育掲げる学校が人気(2020年12月10日の記事)

 

首都圏では中学受験が人気で、約2割の子供が受験します。教育熱の高い文京区を中心に都心近くは中受率が高いため、特に東東京が影響ありそうです。

せっかく野球を始めたお子さんも、小3の2月から塾に入るから野球辞めてしまう、いや、野球とかスポーツ以前に、小1から中受塾に入っているなんてお子さんもいますね。

プロスポーツ選手になって、それで何億も稼げる選手になる確率を考えると、それよか、やっぱり勉強でしょう!!となる気持ちは分かります。

しかも、運動能力は学力と相関があると言われていて、確かに娘の小学校でも、運動も勉強もできる子達が軒並み中受に向かい、通塾している印象があります。

野球に限らず、サッカー、バスケ、テニス、水泳などやってた子達(しかもうまい子)が中受するからと、まあまあ辞やめちゃってるんですよね~。

なので、23区内においては、運動能力高い子達が野球をやってない傾向にあると感じます。

 

2.他のスポーツにも分散する

スポーツやるにしても、私が子供の頃に比べて選択肢が多くなったと思います。

近年、野球は親達から敬遠されています。というのも、親もお茶当番があったりして大変だからです。ユニフォームの洗濯も地味に大変です。

それに、監督コーチが怒ってばかりのチームもあって、今流行の自己肯定感を損なうのではないかと考える親御さんもいます。

親の負担が少ない他のスポーツ、自己肯定感を損なわず子供を成長させてくれそうなスポーツに流れがちだと思います。

サッカー、バスケ、テニス、水泳、体操、フィギュアスケートなど選択肢はいろいろです。

我が家もスポーツはさせたいと思い、やらせました。

けれども、両親ともスポーツの中で一番好きな野球ではなく、サッカー、水泳、体操などを選びました。子供の意見を重視しましたが、野球という選択肢は最初から外していました。

 

3.有力選手が分散する・地方へ出て行ってしまうから

東京は人が多いので、良い選手がたくさんいます。東京にもリトルシニアやボーイズなど中学硬式野球界で、全国で名を馳せた強豪チームもありますし、チーム数も多いです。

なので、東京都のオールスターを組めば相当強い代表チームができ上がるでしょう。わくわくしますね。

しかし、東京は高校の数も多いです。2023年夏の大会は、東東京129校、西東京123校もあります。

東西ともに群雄割拠で、強豪と言われる学校もそこそこ多いため、有力な選手達が分散してしまいます。

強豪ぞろいではありますが、圧倒的王者な学校がなく、それらの高校のうち、どこが甲子園に行ってもおかしくありません。

逆に考えれば、甲子園に行ける確率は、都内のどこの学校へ行ったとしても、そんなに高くないのです。

なので、地方で甲子園に行ける確率が高い、その地区の王者的な高校や甲子園でも強い高校に行ってしまうプレイヤーもいます。

甲子園常連校の中には、東京や関東からも選手を集めている学校もありますね。

レベルの高いプレイヤーほど、ヒエラルキーの高い学校で野球をやりたいでしょうし、良い指導者の元で野球をやりたいでしょう。プロになりたいと思えば、自然の流れです。

 

4.グラウンドが狭い(土地が高い)

グラウンドは狭くて、十分な練習ができない学校もあります。

土地が全くないわけじゃないのですが、地価も高いですし、グランド借りるのもお金がかかります。

都心の学校だと郊外にグラウンド持っていたりしますが、授業終わってから、そこまで行くだけでも時間がかかり、その分練習時間が削られてしまいます。

本気でやろうと思えば、大きなグランドを用意して設備を整え、いい人材(監督コーチ)を引っ張ってくるなどして、めちゃくちゃ強くしようと思えばできるのかもしれません。

しかし、学校経営的にも、強くする環境を整えるのに他地域よりもどうしてもコストがかかってしまうため、野球を強くしようとはなりにくいでしょう。

 

5.公園などで気軽に野球がしにくい

都内は、ボール使用禁止の公園も多いです。公園にグラウンドもあるにはありますが、地方のように勝手に入って野球やサッカーができません。

キャッチボールができる場所すら少ないです。

休日は団体の予約などでいっぱいだったりします。

小学校でも同じことが言えると思います。地方の小学校は、土日に割と自由に校庭に入ってサッカーやキャッチボールしている子達を見かけますが、都内は立入できなかったりします。

誰も校庭使ってないから入ろうとしても、警備員に止められていまったりもしますね。

そもそも小学校の校庭も狭く、あまり野球ができるような環境ではありません。なので、野球離れにもなりやすいと感じます。

もちろん、野球などの球技する子はしています。が、遠征費や道具代などお金もかかります。

サッカーやテニスなども、どこかのチームに所属したり、スクールやクラブチームに所属してたりと、そこそこお金をかけて運動してますね。運動するにもお金がいるので、割と裕福な子の方がスポーツできるイメージです。

逆に、体育以外ほとんど運動しない子も結構いて、運動も格差が広がっているなーと感じます。

 

6.期待が大きすぎて勝ててない感覚になる

東東京、西東京ともに結構強い時もあり、ベスト4やベスト8に入る事もありましたので、負けてばかりではありません。

毎年、すごい選手が報道されていて、「これなら全国でもかなり強いはずだ」「ベスト8行けるでしょー」「いやいや優勝候補だ」と、都民の期待を背負い甲子園に行った結果、1回戦で負けた時のがっかり感。

期待が大きすぎたために、負けた時に「なーんだ、弱いじゃん」となってしまうのかなーと思います。

トーナメントだと半分以上のチームは1回戦か2回戦で負けちゃうし、個人的には3回戦まで行っただけでも、「強いんじゃない?」「少なくとも半分よりは強い」と思っています。クジ運もありますけどね~。

 

7.東北地方など他地域が強くなった

東北地方の代表と一回戦当たればラッキーという時代は終わりました。むしろ、上位に上がってくる手強い強豪ぞろいで、当たりたくない存在です。

2023年夏の甲子園では8強に東北勢が3校も残りました。

なぜ強くなってきたかというと、

    • シニア・ボーイズなど中学硬式チームが増えた
    • みちのくフレッシュBリーグなど下級生の試合が増えた
    • 強豪校が限られており、地元の有力選手が集まりやすい
    • 甲子園に行ける確率が高く、最近強いため関西や関東からも集まる

ということが大きいと感じます。

 

でも、強くなったら嬉しい

東京があまり勝ててないと感じる理由を考えて書いてみました。

状況的には厳しいのかなーと感じましたが、中学の硬式野球を見ると、最近東京はじめ関東圏のチームが強かったりします。そういう選手達が都内の高校に進学して、ぜひ東京に優勝旗を持ち帰ってほしいなーと期待しています。

春の選抜では大阪桐蔭VS履正社の大阪同士の伝説の決勝戦がありましたけど、いつか夏の甲子園で、東東京VS西東京の決勝戦を見て見たいです。