「え!?確認テストの過去問やってた子がいるの? ずるい…」
ってな事があり、更には、最近、娘の1つ下の学年の子のママから「組分けテストの過去問見せてー」って言われた事があり、サピの過去問について色々考える事がありました。
うちも過去問入手して、事前にやらせたら……今よりもっと。
でも、過去問はやっぱりよくないかな。
いや、例えばサピが過去問を公開してたり、過去問の問題集として販売しているものならいいと思います。けれども、そうではない場合は過去問否定派です。
目次
1.過去問やってる子がいた
なんと確認テストや組分けテストの過去問をやって、テストに臨んでる子がサピの同じ校舎にいました。
娘と同じコースにいたと思いきや、急に下の方のコースに行ったり、そうかと思えば、いつの間にか上の方に上がったりで、そんなに上下する子もいるんだねーくらいに思っていました。
ところが、ある時、その子がテスト対策として過去問やった事を娘や他の友達にも暴露してしまったのです。
当然、娘は「あいつ、ずるーい!!」って、なったわけですが、なるほど、成績がいい時は過去問が当たった時、外した時は急降下ってわけですね。
それにしても、自ら暴露してしまうとは、男の子だからついカッコつけちゃったのかもしれませんね。
2.メリットがいろいろある
過去問を入手して事前にやらせるメリットはいろいろありますね。
①いい点数がとれてクラスアップしやすい
ほとんどの場合、過去問を入手する1番大きな目的は、成績のためでしょう。
子供に良い点数をとって上位のコースに行かせたいがために、親が過去問を手に入れるわけです。
過去問と同類の問題が出たりするので、過去問解いてから試験に臨めば、何もしないよりはいい点数が取れるはずです。出題のされ方を見て、戦略も立てやすくなります。
サピのコースアップや上位コース維持のため、過去問を使って指導する塾などもありますね。
もっとも、過去問がそのまま出題される事はそんなになく、類題だったり全くの新作も出題されたりするようですので、必ずしも良い点数が取れるわけではありませんが、何も情報を持ってない人からするとかなり有利になりますね。
上位のコースにいれば、成績の良い人達に囲まれて授業を受けられますし、よりハイレベルな先生に、スピーディーで質の高い授業を受けられるので、良い環境の中で授業を受けることが可能になります。
サピにはないですが、塾によっては成績上位者向けの特別なクラスがありますね。そういったハイレベルな授業を受けて更に高みを目指すことが可能になります。
②自信になる(良いメンタル状態)
テストの点が良く、上位のコースにいることで自信になったりします。「僕は(私は)できるんだ」と、ライバルに勝ったことで、自己肯定感を高めることができたりもします。
優越感を感じることもあるでしょう。
また、苦手な科目でも点数が取れれば、『苦手だと思っていたけど、できた!』って思えたりもすると思います。
そうなれば、精神的には良い状態でいられますね。
③勉強になる
よく練られた良問が出題されていますので、過去問も1つの問題集だと思って解けば、それなりに勉強になります。
テストに出題されるところって大事だから出るんですよね。ただ、大事なところ全てがテストに出るかと言うと、ムリでしょう。
なので、実際受けたテストに加えて過去問もやることで、各単元の大事な部分を効率よく学習することができると思います。
④親も安心する
子供の成績が良いと親も安心できます。成績が悪いとつい、キツイ言葉をかけてしまったりもしますが、成績が良いと『このまま行けば大丈夫』となったりして、子供に対して良い接し方ができることでしょう。
自己肯定感に関わりますから、こういうのも大事だったりします。
⑤マウンティングされにくい・マウンティング可能
周りからショボいと思われたくないがために、塾での成績を上げたいという気持ちは理解できます。
くだらない話ですが、一番上のクラスに入れば、親子とも友達や知り合いからマウンティングされることはそうありません。逆にマウンティング可能な立場になれます。
でも、マウンティングはダメですね。できたとしてもしない方がいいです。できるだけ無縁の環境の方が望ましいと思います。
3.NGだと思う理由
他方で過去問がNGだと思う理由を挙げていきます。これらの事を考えると、過去問やらない方がいいかなと思ってしまいます。
①過去問の解き方を覚える勉強になりがち
過去問でうまく成績をブーストできたとしても、それは実力でなく、所詮は仮初めのものになりそうです。
付け焼刃で解き方を覚えてテストで良い点取れたとしても、本質的に学力が上がっている事にはならないからです。
過去問のおかげなのに、”自分には実力がある”と思い込むと、普段の勉強も頑張りが足りなくなることもあります。(逆にやる気を出して勉強しまくってくれるなら良いのですが。)
親としても、子供にさせる勉強の量や質を下げてしまいがちになります。
なので、やはり地道に基礎学力を上げることを優先した方がいいですね。楽してクラスアップしちゃいけません。
過去問で出たところばかりではなく、テキスト全体あるいは、苦手なところを一通り復習した方がいいでしょう。
テストの度に新しい問題を作っていたり、少し問題の切り口を変えたりするものですので、基礎学力が足らない状態で過去問が外れた時は、目も当てられないほど酷い結果になるでしょう。
正に大暴落、ナイヤガラの滝です。
②素直に間違えた方が勉強になる
何かスポーツで、「余裕で勝った相手の事は全く覚えてないけど、負けた相手の事は今でもよく覚えている」なんてことがあると思います。
私も昔、バレーボールでそうでした。どうしても勝てなかった強豪校のエースやセッターの名前とか今でも覚えています。
勉強も同じで、余裕でできた問題はすっかり忘れ、後で「そんな問題出たっけ?」ってなったりしますが、間違えた問題は、結構後になっても覚えていたりします。
本当はそこまでの基礎学力がないのに、過去問のおかげであっさり正解しちゃうとすぐ忘れてしまうかもしれません。
普通に実力どおり間違えてもらって、それをちゃんと復習した方が後々のためになりそうです。
③実力以上のクラス・志望校別の特訓(演習)についていけない
目的が成績やクラスになってしまうのは、よろしくないですね。
実力よりかなり上のクラスで勉強するのは、結構大変でしょう。授業のスピード、周りの塾生のレベルについていけず、1人だけ置いてきぼりになるかもしれません。
ここまで子供をサピに入れてきて、実力に合ったクラスになった時が一番学習効果が高いと感じます。
塾によっては、成績上位者向けの特別なクラスがあり、それを受講させたい気持ちも分かりますが、実力が伴っていなければ、あまり身にならないでしょう。
小6の志望校別の特訓(演習)でも然りです。
本質的に学力が足りていなければ、どうせついていけなくなり、合格できないか志望校変更を余儀なくされそうです。
上のクラスにいたとしても、それまで下駄を履かせられてきたのですから。
④公平なテストではなくなる
カンニングとまでは言いませんが、それに近いものがあると思っています。
逆に入試問題の過去問が公開されていたり、書店で過去問の問題集が売っていたりしますが、このようにサピが公開してたり販売してて、誰にでも簡単に入手可能なら良いと思います。
皆、当然に対策してくるので、少数派の子だけクラスが不当に上がったりということもないでしょうし、急に上のクラスに行ってついていけなくなるというケースもそう起こらないでしょう。
そもそも過去問をしっかりやり込むことで受験やいろいろな資格試験というものは成功率が上がるものです。
しかし、サピが公開・販売してるものではない場合、これは公平なテストではなくなりますので、やっぱり過去問はずるいと思います。
コースのボーダーギリギリで1つ下のコースになった子とか、過去問やって上に行った子さえいなければ、1つ上のコースだったのに可哀そうだなと思います。
⑤罪悪感を感じる
テストで点が取れれば、自信につながることもあると思いますが、人と違う特別な事をした事は、その親や子供が分かっているんですよね。
そんなの全く気にしない人もいますが、バレた時に立場がなくなるでしょう。
仮に組分けテストでメダルや賞状を取れたとしても、それは偽物に見えてしまうんじゃないかなーって思います。
⑥先生の負担になりそう
問題を作る側になってみると、過去問が出回っている以上、また新しい問題を作ったり、類題でも切り口を変えた問題を出したりといった事が必要になってきます。
サピはコンセプト的に復習主義ですし。
結構な時間と労力を使うはずですし、本当は出題したい問題も出すのやめたりって事もあると思います。
過去問が出回っていなければ、もっと塾生1人1人にエネルギーを注げるのに…なんてこともあるかもしれません。
その割を食うのは、塾生や高いお金を払っている保護者達になるわけです。
最後に
賛否ありますが、上記の理由で、個人的には塾のクラスアップや成績アップのために過去問使うのは良くないと思いました。
過去問も使い方次第なのかもしれませんが、中受の場合、5年生までは純粋に基礎学力アップをしていき、6年になってから志望校の過去問やその類題にガンガン取り組むのがいいと思っています。
なので、冒頭に書いた「組分けテストの過去問見せてー」って言ってきたママさんには、後で「ごめんなさい、捨てちゃった」とお断りしました。
高値で売れば良かったかもしれませんが、まあ買ってくれないでしょうし、そもそもやっちゃマズイですし、その子のためになりませんからね。
ということで、我が家は過去問入手しないで頑張ることにします。