「公務員になれば勝ち組だ」「安定している」と言われますが、国家公務員の平均年収はどのくらいかご存じでしょうか?
国家公務員給料等実態調査から平均年収、毎月の給料、夏と冬のボーナスの金額を推計してみました。
この調査に含まれていない職員(例えば政治家、裁判官、自衛官など)は除かれますが、調査対象の国家公務員の平均値を算出してみました。
平均なので、立場によって年収の高い低いがありますが、よくよく調べてみると結構もらっているなーという印象です。
1.平均月収
まず、月収から。
平成31年国家公務員給料等実態調査によると、全俸給表の平均年齢43.1歳、平均経験年数が21.3年、平均給与月額417,683円
この金額には地域手当等の諸手当が含まれていますが、残業代が含まれていません。そこで残業代に当たる超過勤務手当を足してみました。
残業時間は、人事院勧告のページに載っていて、国家公務員の平均の年間残業時間が226時間というデータがあります。12で割って毎月の残業時間を出して、平均月収を推計してみると。過去6年分、こんな感じです。約47万円となります。
年 | 平均給与月額(円) | 毎月残業時間(h) | 月収(万円) |
---|---|---|---|
2014 | 415,426 | 19.5 | 47.77 |
2015 | 416,455 | 19.08 | 47.75 |
2016 | 417,394 | 19.42 | 47.97 |
2017 | 416,969 | 19.58 | 47.97 |
2018 | 417,230 | 19.00 | 47.81 |
2019 | 417,683 | 18.83 | 47.81 |
2.ボーナス(期末・勤勉手当)の金額
国家公務員も夏と冬にボーナスが出ます。2019年の冬のボーナスは一般職国家公務員(管理職を除く行政職職員)の平均支給額(成績標準者)は約687,700円
ボーナスの支給日は、夏は6月30日、冬は12月10日と人事院規則で定められています。支給日が土日にあたるときは、その前の金曜に支給されるようです。
人事院のHPで公表されているボーナスの金額はこんな感じです。
年 | 夏 | 冬 | 年間 |
---|---|---|---|
2014 | 58.67 | 69.16 | 127.83 |
2015 | 61.99 | 65.86 | 127.85 |
2016 | 63.01 | 70.48 | 133.49 |
2017 | 64.21 | 71.44 | 135.65 |
2018 | 65.26 | 71.00 | 136.26 |
2019 | 67.91 | 68.77 | 136.68 |
でも、この公表されているボーナスの額は、管理職が除かれています。
なので、管理職も含めた国家公務員のボーナスの平均を推計してました。
年 | 夏 | 冬 | 合計 |
---|---|---|---|
2014 | 77.68 | 90.15 | 167.83 |
2015 | 81.00 | 87.25 | 168.25 |
2016 | 83.27 | 93.70 | 176.98 |
2017 | 85.27 | 95.69 | 180.96 |
2018 | 87.41 | 95.75 | 183.16 |
2019 | 91.68 | 93.77 | 185.45 |
ニュースで出るのは、管理職が除かれている金額ですが、管理職も含めると、やっぱり結構もらっているんだと思います。
年間のボーナスの金額をグラフにしてみました。青が公表されている一般職国家公務員のボーナス、オレンジが管理職も含めた平均のボーナスを推計したものです。
3.平均年収
推計した月収とボーナスから年収を計算しますと、2019年の国家公務員の平均年収は、759.17万円
平均年収の推移をグラフにするとこんな感じです。
景気がいい時に大きく上がらないものの、安定した年収というのは、やはり魅力ですね。
なれるかどうか別として、公務員試験受ければよかったなーと今更ながら思います。
非管理職一般職国家公務員の平均年収
よくボーナスのニュースで出る管理職を除いた一般職国家公務員、その人達の平均年収を推計してみます。平均給与月額約30.63万円でボーナスと残業も加味すると、平均35.0歳で、556.72万円
管理職になっていない若手は、そんなにもらえないんだなと思いました。
年齢別平均年収
行政職俸給表(一)の国家公務員が14万人程いて結構多いですね。
年齢階層別の平均給与月額を元に、年齢別の平均年収を推計してみました。
ピークは50代後半、なかなかいい額です。
国家公務員(全俸給)の年齢別の平均年収も、推計してみました。税務関係の職員などが、少し多くもらえるため、平均が上がります。
国税庁の民間給与実態調査によると、2017年の平均年収は432万円というデータがありますが、20代で超えることが可能ですね。といっても、アルバイトや派遣社員も含む数値なので比較にはならないと思いますが、とりあえず平均は超えます。
また、民間企業のように55歳とかで約定がないため、年功序列で上がっていくのは魅力的です。
本府省勤務の平均年収
ここまで、国家公務員の平均年収を推計してきましたが、本府省勤務とそれ以外の出先機関で年収が全く違うのは当たり前の話です。
本府省勤務の場合、平均を大きく上回ります
平均給与月額451,922円、年間の平均残業時間356時間。残業代も含めて推計した月収は55.49万円、あと年間ボーナス200.65万円なので、平均年収は866.53万円となります。
平均年齢40.7歳で、こんなにもらえてしまうのは理由があります。
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- キャリアがいるから
- 残業が多いから
- 本府省業務調整手当があるから
出世が早いキャリア官僚は、本府省に多く、平均を押し上げていますし、本府省業務調整手当は、平均2.4万円ももらえます。
ちなみに本府省勤務の国家公務員の平均年収を年齢別に出してグラフ化してみると、このような賃金カーブです。
この推計値より公務員でも1000万円プレイヤーは可能という事が言えると思います。
本府省の職員が50代にもなると1000万円超える人も結構いそうですね。激務と聞きますが、報酬はそれなりにもらえるんだなという印象です。そうじゃなければやっていけませんよね。
しかし、その一方で、本府省以外の職員は、そんなにもらえないということの裏返しかもしれませんね。
最後に
国家公務員の毎年の人事院勧告で、民間企業の水準に合わせられます。
この金額が多いと感じる人もいらっしゃれば、少ないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
ただ、若い世代は、公務員でも民間企業でも、年収が少ないなと思います。