日本において学歴は大事。自分の将来のため、高学歴になりたい、上位校に入りたいと必死になって勉強。学校や塾などのテストで偏差値を上げるべく、しのぎを削っています。
でも、偏差値60、70、80ってどのくらいすごいの?
何点くらい取れば到達できるの?
上から何割?
何人に1人なの?
そもそもどうやって計算しているの?
そういった疑問に対して、計算方法などと一緒に解説してみました。
偏差値の出し方
偏差値は、テストを受けた集団の分布の中で、自分がどのくらいのポジションなのかを表す数値。
この偏差値の出し方について、例をあげて解説してみます。
平均点を計算
例として、あるテストで、A~Hまで8人の結果が以下の表のとおりだっとしましょう。
テストの点数 | |
---|---|
A | 60 |
B | 70 |
C | 60 |
D | 80 |
E | 60 |
F | 50 |
G | 60 |
H | 80 |
平均 | 65 |
(60+70+60+80+60+50+60+80)÷8
なので、平均点は65点。
標準偏差を出す
データのばらつきの大きさを表すのが、標準偏差です。標準偏差が大きければ、上から下まで点数がばらついており、小さければ、平均近くに集まっていることを示します。
この8人の標準偏差計算するための式は、こんな感じです。
8人それぞれ、得点ー平均を出して、それを2条したものを合計し、それを人数の8で割って、平方根を取ると、標準偏差が算出できます。
得点ー平均と、それを2条したものは、以下の表のようになります。
テストの点数 | 得点-平均 | (得点-平均)の2条 | |
---|---|---|---|
A | 60 | -5 | 25 |
B | 70 | 5 | 25 |
C | 60 | -5 | 25 |
D | 80 | 15 | 225 |
E | 60 | -5 | 25 |
F | 50 | -15 | 225 |
G | 60 | -5 | 25 |
H | 80 | 15 | 225 |
この場合だと、標準偏差は10ですね。
偏差値を計算してみる
偏差値は、
(点数-平均点)÷標準偏差×10+50
で計算することができます。
この式からも分かるとおり、偏差値とは平均点を50、標準偏差を10になるように調整された数値ということになります。
自分の受けたテストの結果に、自分の点数の他に平均点と標準偏差が乗っていれば、簡単に出せるのです。
この例に当てはめて計算してみると、こんな感じになります。
偏差値 | |
---|---|
A | 45 |
B | 55 |
C | 45 |
D | 65 |
E | 45 |
F | 35 |
G | 45 |
H | 65 |
偏差値60や70って何点くらい?
偏差値50が平均だということは、だいたいの人が知っています。
では、偏差値60取りたい場合、何点必要かというと、意外と「さあ?」ってなる人も多いと思います。
実は、平均点と標準偏差σ(シグマ)が分かれば、簡単に計算できます。
偏差値60になりたいと思ったら、必要な点数は、平均点+標準偏差σなのです。
例えば、平均65点、標準偏差10の場合、75点取れると、偏差値60です。
偏差値70なら平均点+2σなので85点、偏差値80なら平均点+3σなので95点とって、到達することができます。
けど、100点満点のテストなので、この例の場合は+4σの偏差値90は不可能ということになります。
イメージ図としては、こんな感じです。
PCで書いたので、いびつな形になってて申し訳ないのですが、点数の分布と標準偏差の関係は、このようなイメージになります。
人数の分布としては、こんなんです。
-1σ~+1σの範囲には約68.268%
-2σ~+2σの範囲には約95.45%
-3σ~+3σの範囲には約99.73%
-4σ~+4σの範囲には約99.994%
偏差値90以上って3万人に1人くらいのすごい人ということになります。
ということで、テストの結果に平均点や標準偏差が書いてあれば、なんとなく、人数の分布も分かりますし、あと何点くらい取れば、志望校に届くのか、だいたい見えてきますね。
同じ点数でも偏差値が違う
上記のように、平均点と標準偏差から偏差値を計算することができるので、テストで同じ点数をとっても、異なる偏差値が出ますし、科目によっても違ってきます。
同じ点数なら平均点が高い方が偏差値は下がってしまいますし、平均点が低いと偏差値は上がります。
なので、得意科目で難しい問題が出た時は、チャンスかなと思います。平均点が下がってる中で、高得点取れれば偏差値が高く出ますので、他者を引き離すことができます。
あと、標準偏差が小さい場合だと、あまりバラつかず平均点近くにギュッと固まっているため、平均より少しいい点取れただけでも、思いがけず、偏差値が高く出たりすることがあります。
母集団が大きいと適度にばらけるものですが、小さい場合だとたまに平均近くに固まることがありますね。
偏差値のパーセンテージ
この偏差値なら、上位何%に入るのか、何人に1人なのかを一覧にしてみました。
上位何%に入るかは、エクセルで(1 – NORMDIST(偏差値, 50, 10, TRUE))*100で計算できます。何人に1人かは、その逆数×100だね。
因みに、この表の数値はround関数で四捨五入した数値です。
偏差値 | 上位何%か | 何人に1人か |
---|---|---|
80 | 0.135 | 740.8 |
79 | 0.187 | 535.96 |
78 | 0.256 | 391.37 |
77 | 0.347 | 288.44 |
76 | 0.466 | 214.54 |
75 | 0.621 | 161.04 |
74 | 0.82 | 121.99 |
73 | 1.072 | 93.25 |
72 | 1.39 | 71.92 |
71 | 1.786 | 55.98 |
70 | 2.275 | 43.96 |
69 | 2.872 | 34.82 |
68 | 3.593 | 27.83 |
67 | 4.457 | 22.44 |
66 | 5.48 | 18.25 |
65 | 6.681 | 14.97 |
64 | 8.076 | 12.38 |
63 | 9.68 | 10.33 |
62 | 11.507 | 8.69 |
61 | 13.567 | 7.37 |
60 | 15.866 | 6.3 |
59 | 18.406 | 5.43 |
58 | 21.186 | 4.72 |
57 | 24.196 | 4.13 |
56 | 27.425 | 3.65 |
55 | 30.854 | 3.24 |
54 | 34.458 | 2.9 |
53 | 38.209 | 2.62 |
52 | 42.074 | 2.38 |
51 | 46.017 | 2.17 |
50 | 50 | 2 |
49 | 53.983 | 1.85 |
48 | 57.926 | 1.73 |
47 | 61.791 | 1.62 |
46 | 65.542 | 1.53 |
45 | 69.146 | 1.45 |
44 | 72.575 | 1.38 |
43 | 75.804 | 1.32 |
42 | 78.814 | 1.27 |
41 | 81.594 | 1.23 |
40 | 84.134 | 1.19 |
39 | 86.433 | 1.16 |
38 | 88.493 | 1.13 |
37 | 90.32 | 1.11 |
36 | 91.924 | 1.09 |
35 | 93.319 | 1.07 |
34 | 94.52 | 1.06 |
33 | 95.543 | 1.05 |
32 | 96.407 | 1.04 |
31 | 97.128 | 1.03 |
30 | 97.725 | 1.023 |
29 | 98.214 | 1.018 |
28 | 98.61 | 1.014 |
27 | 98.928 | 1.011 |
26 | 99.18 | 1.008 |
25 | 99.379 | 1.006 |
24 | 99.534 | 1.005 |
23 | 99.653 | 1.003 |
22 | 99.744 | 1.003 |
21 | 99.813 | 1.002 |
20 | 99.865 | 1.001 |
最後に
日本の最高学府、東大は1学年で約3000人、入学することができます。日本全体の各学年の人数は、100万人強~120万人弱くらいです。
ざっくりと100万人としたら、上位0.3%くらいの人が入ることができるのかなーと思う。
ということは、上記の表で、偏差値78以上。
でも、全員が大学受験するわけじゃなくて約半分くらいですし、学部にもよります。東大にこだわらず行きたい学部に行く人(医学部とか)や地元の大学に行く人もいますので、実際には、予備校などでの偏差値はもう少し低くなります。
でも、浪人生もいてたったの3000人ですから、やっぱり、一握りどころか、三角形の頂点をひとつまみしたくらいの最強ランクの闘いなんだと思いました。