出先機関の公務員は比較的ホワイトで楽だなんて話を聞く事があります。
ただ、公務員にもいろいろな職種や部署などがあり、出先機関だからと言って、ホワイトで楽ちんとは限りません。部署によっては、激務だったりもするようです。
事務系の公務員ばかりではなく技術系の公務員もいますが、出先機関で働く技術系公務員についてどんな感じか、聞いた話をいろいろまとめて書いてみました。
目次
1.倍率が低いので公務員になりやすい
まず、採用試験の倍率については、事務系公務員より技術系公務員の方が倍率が低く、事務系よりは競争が激しくありません。合格・内定を得やすいというメリットがあります。
例えば、2020年度の国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)実施状況から、単純に最終合格者数を申込者数で割って倍率を出すと、行政区分の倍率が約5.1倍(24180÷4771)に対して、技術系は約3.4倍(4341÷1260)と倍率は低めです。
人によりますが、実際技術系公務員として合格した人のお話を伺うと、実感として行政職よりも比較的難易度が低く、勉強時間が比較的短くても合格できたりもするようです。
2.残業が比較的少ない
国家公務員の本府省や地方公務員の本庁などは、多忙で残業も多いです。しかし、出先機関は残業が少ない傾向にありますね。
人事院のHPの令和2年人事院勧告を見ると、本府省の平均年間超過勤務時間数348時間、本府省以外では190時間となっています。
年間なので、本府省以外では月あたり約16時間。
残業時間という観点で見れば、比較的ホワイトな感じがします。
ただし、これは平均でこうなのであって、実際には部署や担当業務によって残業時間にばらつきがあったりしますし、単純に時間だけでは分からない激務度、ストレスなどは、その仕事をやってみないと分からないと思います。
3.専門性がある・競合する人材が少ない
技術系公務員と言ってもいろいろと区分があり、それぞれ専門性があります。
仕事によっては、研修を受けたり実務経験などの要件を満たさないと従事できないものもあるそうで、それに該当する人材は重宝されます。
そもそも採用人数が少ない技術系公務員で、さらに専門分野に特化したような人材って希少価値がありますね。
他の人ではできない等の優位性があります。ただし、その業務をできる人材が限られていると、代わりがいなかったり、しわ寄せが来たりする等の面では大変だったりもするそうです。
4.ルーチンワークが多い
検査や審査といったような専門性のある仕事があったりで、仕事の流れ的には比較的ルーチンワークが多かったりするようです。
なので、1度覚えてしまえば、あとは同じようにやっていけば良かったりするようです。
国の本府省庁などの中央や、自治体の本庁などにいると、難しい調整が必要な仕事があったり、国会や議会対応といった仕事があります。
しかし、出先機関ではあまりそういう仕事には関わらずに済むようです。幹部とかじゃなければ…。
5.AIにとってかわられにくいかも
公務員の業務は、窓口、データ処理、書類作成などの事務作業が多い職業のため、多くの業務をAIで処理することが可能であると言われていますね。
なので、将来AIに奪われてしまい、リストラされたり採用人数が減ってしまうかもしれません。
しかし、技術系公務員の仕事は意外とAIにとってかわられにくいのかもしれません。
その理由は、例えば、専門的な分野での審査、検査、許認可を与える等の業務をしているような部署だと、それを行うスキルのある公務員さんが、その判断をしなければならないためです。
中身は会社によるため、1つ1つちゃんと見なきゃいけません。
不正があったりしたら、それを取り締まったりするような部署もありますよね。その内容は様々です。
確かに仕事の一部がAIに置き換わっていく事は想定されそうですが、しっかり確認して、”確かにOKですね”という許認可(いわゆるお墨付き的なもの)をおろすような業務、ダメなものは是正させるような強い権限のある機関の業務は、先々も残っていくと思います。
審査してもらって許認可などをいただく事で、私達民間企業もその業務ができたりするわけで、これで世の中回っている系の業務なら、先々も必要とされるはずですね。
事務系公務員でもこういったお仕事はありますので、将来も残りそうな領域でのスキルアップを目指すといいのかもしれません。
6.事故や災害が起こった時は大変
所属部署の業務範囲での事故や災害が起きたら、現地に急行して対応しなきゃいけない場合もあります。そうなると、いきなり忙しくなりますね。
あと、住民が避難するような大きな事故や災害が起こった時は、様々なところから人員が集められ、出先機関の技術系公務員も現場最前線で活躍されたりするようです。
集められた人員は、寄せ集めだったりするため、その手の領域は専門外って人も多いそうです。そうすると、何かと聞かれたり、頼られたりするわけで相当大変だったりもするそうです。
7.事務系と技術系の区別のない仕事も
理系で技術系で採用されたからと言っても、事務仕事はたくさんあります。事務系も技術系も区別のない仕事もあり、文系的な領域の仕事がたとえ不得意であっても、やらなければなりません。
ある意味、二刀流するくらいじゃないと通用しないのかもしれませんね。
8.出世しにくい
事務系技術系関わらず、出先機関だとやっぱり出世しにくい傾向はあるようです。全体のバランスを考えると、いくら専門分野に長けているとは言え、出先機関ではなかなか評価されない部分があるのでしょう。
やっぱり、できる人は本庁などの中央で活躍するようで、仮に最初は同じでも少しずつ差がついていくそうです。
最後に
出先機関で働く技術系公務員も、メリデメありますね。隣の芝は青く見えるって感じだと思いますが、聞いた話を総合して考えると結構ホワイトっぽいし、専門性も身に付くのでいいなーと思いました。
最初から出先機関での内定を目指すのも良さそうな気がします。
娘を育ててる身としては、将来リケジョで出先機関の技術系公務員も悪くなさそうだと感じました。(なれるかどうか別として)
でも、我が子は文系っぽいんですよね~