ケアレスミスが直らない?テストのポカミス発生率を下げる対策方法について書いてみた

ケアレスミスはとてももったいないです。

1問ミスしただけで、偏差値や順位が下がってしまいますし、入試では命取り、合否を分けることになりかねません。

1点でも足りなければ不合格になってしまいます。ケアレスミスで取れなかった1点も、分からなくて取れなかった1点も同じ1点ですからね。

ケアレスミスで不合格になってしまっては、本来の実力が発揮できなかったと悔いが残ってしまいます。

特に中学受験、高校受験、大学受験などの入試という進路の分岐点においては、そのたった1つのミスが人生を変えてしまうかもしれません。

でも、どんなに気を付けていても、これまでと同じようにテストを受けたら、また同じようにミスしてしまう可能性が高いと思います。

注意する、気を付けて解くだけでは、たぶん何も変わりません。

では、どう対策したらいいのか? という事で、ケアレスミスをなるべく無くす対策方法について書いてみました。

 

1.ケアレスミスの分析を行う

一口にケアレスミスと言っても、いろいろなミスがあると思います。

    • 計算ミス
    • 転記ミス
    • データやグラフなどの読み間違え
    • 単位の付け忘れ
    • 問題文の読み間違えや見落とし
    • 文章の誤字脱字
    • 選択肢の記号間違い
    • 解答欄のズレ
    • 英語のスペルミス
    • 三単現のSを忘れる
    • 時間配分のミス

 

などなど、いろいろありますよね。

まずは、ご自身(お子さん)のどんなケアレスミスが多いのか、分析してみるといいです。一言でケアレスミスと言っても、その人によって傾向が違います。

ミスしやすいところから対策していく事で、ミスの数を大きく減らす事ができると思います。

分析の仕方はいろいろありますが、個人的にはこんな方法が良いかと思います。

    1. 過去のテストでのケアレスミスを分類してその数を集計
    2. ミスした数の多い順に並べる

パレートの法則(2:8の法則)というのがありますが、面白い事に上位のいくつかで全体の7~8割占めるのではないでしょうか?

かつて私は、『計算ミス』が約5割、『問題文の読み間違え・見落とし』が約2割、『転記ミス』が約1割でして、たった3つの要因で合計8割を占めていました。遺伝なのか娘もこれが多いですね。

なお、上記にはミスした数で集計する方法を書きましたが、失点をカウントして集計しても面白いです。

 

2.模試を何度も受けて慣れておく

やっぱり本番でミスらないようにするには、模試を何度も受けておく事が必要だと思います。

スポーツで練習試合の経験の少ない控え選手が大会で起用されて、思いもよらないミスをしてチームが負けてしまう事があります。

勉強もそうですね。

模試をほとんど受けずに家勉だけで本番の入試を迎えても、不本意な結果に終わってしまう事が多いと思います。緊張もしますし、時間配分も思ったようにできないと思います。

模試を何度も受けた方がテストに慣れるものです。模試をたくさん受けても本番で緊張はすると思いますが、実力を出しやすくなると思います。

テストの出題のされ方は、結構似通っているもので、多少慣れる事でミスもしにくくなります。

それに、模試を何度も受けて上記の分析を行い、間違いやすいところを知っておくことも必要ですね。

 

3.問題の量をこなす

勉強で問題をたくさん解くことによって、ケアレスミスの防止するのにある程度の効果があると思います。

基礎、応用、発展など問題の難易度が違うわけですが、基礎を中心に、比較的簡単めの応用までの問題なら比較的数をこなせるでしょう。発展問題は解くのに時間がかかるので、別途じっくり勉強していただくとして、数をこなすと下記のメリットがあります。

①回答の精度が上がる

比較的簡単に解ける基礎~応用レベルの問題をやる事によって、ミスを減らす、すなわち成功率を上げていく事が可能になります。

スラムダンクという高校バスケのマンガに出てくるスリーポイントシューターの神宗一郎というキャラがいますが、彼は1日500本のシュートを打ち、その飽くなきシュート練習によって成功率を上げてきたんですね。高2にして、県の得点王に輝きました。

甲子園球児も「1日500本素振りしてます」とかよく聞きますよね。素振りたくさんすると、スイングスピードもアップし、投手の投げたボールをより体の近くで見極める事ができるようになるため、ボールをより正確に捉えられるようになります。

勉強も同じことが言えて、より正確に解ける確率が上がっていきます。

実際、私は計算ミスがケアレスミスの約5割を占めていたわけですが、計算問題を勉強のルーチンに入れることで、計算の精度を高めました。その結果、大学受験前、高3の秋までにはあまりミスらなくなりました。

 

余談ですが、個人的には、受験学年の前半までに必要な計算力を完成させられるよう鍛えるべきだと思います。偏差値の高い難関校や難関大を目指すなら特にそうです。

中学受験なら小6の夏、高校受験なら中3の夏、大学受験なら高3の夏まで…夏休みは受験の天王山とはよく言ったものですね。

学年後半での演習に役立ちますし、そもそも、その頃になると計算力アップに割く時間がなくなってきます。

 

②解くスピードが上がる

『そんな基礎的な問題を解く事が学力の向上になるのか』というと確かに思考力アップという観点では微妙かもしれません。深く考えることはそうないでしょう。

しかし、時間が限られたテストにおいて点数を上げるという観点で言えば、大いに意味があると思います。

それは回答の精度だけでなく、解くスピードが上がるからです。早く解けるようになれば、これまで解ききれなかったような問題にも手をつけられるようになりますし、見直しの時間も取れるかもしれません。

ミスの原因の1つには焦りもありますが、時間的な余裕が生まれると、精神的な余裕も生まれますし、ムリのない時間配分も可能になります。速く解けるというのは、大きなアドバンテージになりますね。

 

③基礎固めになる

ケアレスミスとはあまり関係ありませんが、基礎固めにもなるので、普通に基礎学力向上も見込めます。

鬼滅の刃で、我妻善逸が使う雷の呼吸壱ノ型「霹靂一閃(へきれきいっせん)」という基本中の基本の技があります。我妻善逸はこれしか使えなかったわけですが、戦いの中で覚醒し自ら生み出した漆ノ型「火雷神(ほのいかづちのかみ)」で、強敵を撃破。

マンガですが、基礎を極める事でそれを応用することができたという例ですね。

量は質を兼ねるみたいな感じでしょう。実際、基礎問題を極める事で、応用問題や発展問題にも対応できるようになっていきます。

受験学年において、入試の過去問演習を効果的に行っていくためにも、基礎がとても大事ですね。基礎が固まってないと結構悲惨です。

 

4.前日はしっかり寝る(体調を整える)

疲れていたり、体調が悪いとミスも多くなります。テストの前日に一夜漬けしてなんとかしようと思う気持ちも理解しますが、やめた方がいいですね。

テストの前日はしっかり寝て、体調を整えておくというのも大事です。

視界良好、頭の中もスッキリ!という状態でテストに臨みましょう。

 

5.指さし確認

私が大学受験生の高3の時に、一番効果があったと思われる方法がこの指さし確認です。というのも、その場でミスに気付きやすいのです。

よく左手の人差し指や中指を紙の上に置いて確認したり、右手のペン先などを使って確認していました。

特に数学(算数)の計算ミスや転記ミスが激減ましたし、読み間違えなど他の種類のミスの対策にもなりました。

昔のセンター試験(今の共通テスト)やTOEICテストでマークシートの解答欄を間違える事とかほとんどありませんでしたね。

事故や災害予防策で、確か日本で初めて取り入れられたのが旧国鉄だと聞いた事があります。よく製造業などでもKYT(危険予知トレーニング)で行われていますね。

昔から行われているアナログな方法ですが、誤作業、誤判断、誤操作などのヒューマンエラーの発生率を大きく下げる効果があります。

ケアレスミスもヒューマンエラー、つまり人間が原因で起こるエラーですから指さし確認を部分的にでも取り入れる事で対策になり得ます。

本来は、目、声、腕、指と重複して使う事でよりミスに気付きやすくなるというものですので、本当は指さしながら「〇〇、ヨシ!」とか声に出して言った方が効果があるのかもしれませんが、テスト中はそんな事できませんね。失格になってしまうかもしれません。

私の場合は問題を解く時に、問題文にあるキーワードや数字、ひっ算で出た答え、区切りの良い途中式、転記した文字や数字、最後に出た答え、回答するべき記号などを右手のペン先や、左手で指さしながら確認していました。

それによって、確認する対象をしっかり意識づけて、そこに集中する事ができ、ミスに気がつきやすくなったと思います。

テスト中『確認』という作業をところどころに入れるため、解くスピードという点では多少遅くなってしまいます。

あまり事細かに逐一確認すると時間が足りなくなってしまいますので、ミスりやすいところだけで良いでしょう。簡単に行う程度でも、ある程度の効果はあると思います。

結局は『急がば回れ』で、多少時間をかけてもミスによる失点を防止できれば、実力どおりに点数を取れる事が多いのかなと感じます。

 

6.問題文に線を引く・丸で囲む

文章問題で線を引いたり丸で囲むのも、指さし確認と似たような感じで、ミス防止に役立ちます。

それに、線が引いてあると後で見た時にすぐ目につきますので、見直しの時に分かりやすいですね。

国語の長文なんかだと、キーとなる接続詞だとか筆者が言いたい箇所だとか大事な部分に線を引いてましたし、他の科目でも問題文の条件や問われている事に線を引いたりしていました。

 

7.見直しする

「最後に見直しをきちんとやって間違えたところがないか確認しましょう」と言っても、全てを見返せる程の時間が取れないと思います。

解き終えたら、テスト終了までの時間でケアレスミスが多いところを重点的に見るといいでしょう。そもそもこれまでミスがほとんど起きてないようなところを見ても、見つからないと思われますし、ある程度じっくり見ないとミスに気付きにくいので、時間ばかりロスしてしまう懸念があります。

このミスが起きやすい箇所の傾向は、人によりますので、最初の分析がとても大事になってきますね。

 

8.最後に

実は、これって社会人になって仕事をしていく中でも通ずるものがあると思います。

テストでのケアレスミスは、自分や家族の損くらいのものですむと思いますが、仕事のミスは、場合によっては会社やお客様に損をさせてしまったり、人命にかかわる大きな事故になったり、社会全体に大きな損害を与えてしまう事もあり得ます。

ミスというものは、突き詰めていくと、ほとんどの場合、人間が原因なんですよね。人間ですから誰でも多かれ少なかれミスをするものだと思います。

なので、社会で重要な仕事やリスクの大きい仕事は、複数人によるダブルチェック、トリプルチェックを行い、間違えないようにしていたりもしますね。

失敗を過度に恐れる必要はありませんが、学校に通っている今のうちからでも、ミスを少なくするような練習すると、この事が社会に出てから役に立つでしょう。

しかし、テスト中はダブルチェックなどできません。一人でセルフチェックをやらねばなりませんので、なかなか難しいですよね。

テストでケアレスミスを減らして、勉強した成果を十分に発揮していただくためにも、本記事をご参考にしていただき、お役に立てましたら大変嬉しく思います。