やりたくない部活を惰性で続けている中学生や高校生も多いと思います。ブラック部活にも関わらず、苦しみながら仕方なく続けている生徒もいます。
”一度始めたことを途中で投げ出すのは良くない”、”我慢して最後まで続けるべきだ”って考え方もありますが、やりたくない事をムリに続けてもあまり得られるものはないでしょう。
若い時の貴重な時間なのにムダですし、人生の損失だと思います。
私はバレー部だったけど、途中で辞めました。今思えば最初からやらなきゃ良かったですし、部活やった事はたぶん何の役に立っていません。帰宅部の方がよっぽどいい学生生活を送れたはずです。
部活を好きでやっている、やりがいや目標がある等、部活をやる意味を見出せているならいいと思います。そのまま部活を続けるべきでしょう。
でも、そうじゃなかった私は、限界が来る前に、もっと早い段階でさっさと辞めるべきだったなーと今更ながら思います。
目次
部活を辞めたいと思った時
私の出た中学校では最初はどこかの部活に入らなきゃいけませんでしたので、友達に誘われてバレー部に入って3年間頑張りました。
中学ではそこまで酷くなかったのですが、高校は結構酷いものでした。
イヤだ、楽しくない、疲れる、苦しい、つらいと、高校の部活に対しては中学に輪をかけて常にネガティブでしたね。
部活を辞めたいと思う事がしばしばありましたが、
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- 顧問がムダに厳しかった・恫喝する
- 顧問がお気に入りの生徒ばかりえこひいきする
- 同じくミスっても顧問が怒る生徒と怒らない生徒がいる
- 先輩が後輩をいじめる(下手な先輩ほど酷かった)
- 練習がきつすぎる
- 練習時間が長すぎる・休みが少なすぎ(自由な時間が欲しい)
- 勉強する時間と体力が削られ、宿題すらおろそかになってしまう(宿題できなくて担任に怒られた)
- 慢性的に疲労がたまる
- このままでは近々潰されそう
- 生徒達に自主性や主体性がない
- 先に辞めた同級生の子が羨ましい
と、このような感じだったからです。理不尽な時などはすごく辞めたいと思いました。
”部活ってブラック企業を支える社畜の育成なのか?”って思わなくもありません。
でも、怒られるばかりでは、子供の成長にとっては害だと思います。
そもそも部活動は教育の一環であり、放課後などに主体的・自主的に活動するもの。なのに、環境が厳しすぎて、生徒達に自主性や主体性がないように感じました。
部活って常軌を逸してると日頃から思っていました。
正直、あまり教育にいいものだとは思いません。
バレーボール部を辞めたきっかけ
辞めたい辞めたいと思っていたバレー部を辞めたのは、高1の秋。
体調不良で2、3日程学校休んだ事がきっかけです。
3年生が抜けた後スタメンになって怒られてばかりだったのがストレスだったのかもしれません。顧問に追い詰められていた感じがします。
「控えになれば試合に出ずに済むし、ムダに怒られる事もない。いや、そもそも部活なんてやらなければ、もっといい学校生活を送れるのに…」と思っていました。
本気でスタメン外れたいと思うのなら、そもそもバレーボールを続ける意味が無いと思ったので、辞める事にしました。
辞めた方法
いざ辞めようと思っても、不安があってなかなか辞めるって言えないものですよね。
不安の正体は、無事に辞められるか、辞めた後の学校生活が大丈夫なのかの2点に集約されると思います。
後者の「辞めた後の学校生活が大丈夫なのか」については、後述する”部活を辞めるデメリット”で書きます。
その前に、前者の無事に辞められるか…
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- 顧問に言っても辞めさせてもらえず、怒られるかも
- 親に言ったら反対されそう
- 同じ部活の先輩や同級生に引き止められないか
まず、親に言わなきゃという事で、現状を一生懸命に話して相談したら、”それならさっさと辞めるべし”と意外とあっさりOKもらえました。
「もっと勉強すべきだと思うから辞めます。代わりに塾に行かせてください。」
と土下座して言ったのが良かったと思います。
父も「うむ!よろしい。学生の本分は勉強だからな。」って感じでした。
すぐに父から顧問に話してもらえて、退部の方向で話が進んで行きました。本当は自分から辞めますと話せたら良かったんですけどね。
後日、私も退部についての話(退部届のプリントを貰いに)をしに顧問を訪問。この時が一番緊張しました。
顧問とはいろいろ話しましたが、恐くてちゃんと話せないかもしれないと思い、辞めるにあたっての経緯や理由等を事前に文書にして持っていって、それも渡しました。
文書の中には、保護者も退部に同意の上、退部させたい意向である旨を一筆書いてもらって、日付とサインと印鑑を押した書類も1枚同封。(自署すれば印鑑不要かな)
事前に親から話したのと、文書を持って行ったからか、あっさり顧問も了承し、正式な退部届の書類を渡されました。
後日、正式な退部届の提出と、挨拶をしに再度顧問を訪れたら、
「まだ1年生でバレーはこれからだったのに辞めてしまうのは残念だけど、学校生活は続くから頑張りなさい」といったようなお言葉をいただきました。
この時の率直な感想として、部活以外の場では教師として常識的で、普通にいい先生なのに、部活は教師を狂わせるものなのかもしれないと思いました。
まあ、社会人になった今考えると、先生達もサビ残して顧問やってるんだから、大変ですよね。
部活を辞めてよかったこと
高1の秋に部活を辞めて良かった事は、こんな感じです。もっと早く辞めれば良かったと今更ながら思います。
1.学校が楽しくなった・精神的にゆとりができた
まず、学校が楽しいものになりました。ストレスの根源だった部活に行かなくて良くなったので、精神的にゆとりができて、友達と楽しく話せるようになりました。
イヤな顧問から怒られることもなくなり、付き合いたくもない先輩達との上下関係に苦しむ事もなくなったのが大きいです。
2.自由な時間ができた
忙しすぎる部活から解放されて、自由な時間ができました。
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- 放課後、同じ高校の友達と遊びに行く
- 塾の友達と一緒に勉強する
- 習い事をする
- 夏休み、GW等の休暇に家族旅行に行く
などなど、いろいろできました。
部活を1年生の4月~3年生の6月頃まで約800日。仮に1日平均3時間の活動時間とすると、2400時間になります。
中学と高校合わせると、その2倍なので4800時間もの膨大な時間です。
部活をイヤイヤやるくらいなら、その時間を有意義に使えれば、相当充実した学校生活を送れることでしょう。
3.宿題をちゃんとやれるようになった
部活で疲れて宿題も満足にできない状態で、宿題忘れて担任やその教科の先生に怒られた事もありましたが、そんな事もなくなり、日々の宿題をきちんとできるようになりました。
宿題は部活してた時も一応やってはいましたが、解答うつしたりして超適当でした。でも、辞めてからはちゃんと自分で考えて、しっかり解いたものを提出できるようになりました。
4.授業に集中できるようになった
部活頑張りすぎて授業に集中できない生徒は結構いると思います。
私も部活やってた時は、慢性的に疲れがたまってて、授業中寝てしまったり、ボケーっと窓の外を見つめていたりという事がありました。
学校の授業はとても大事。
部活を辞めたので、毎日いいコンディションで授業を受けられるようになりました。
それにより、授業に集中できるようになって、定期テストの成績も上昇。
1年秋に部活辞めてから1年の最後の期末テストまでの約半年弱で、校内順位が80番くらいアップ、校内偏差値も10近く上がりました。
学生の本分は勉強です。個人的には勉強がおろそかになるくらいなら、部活なんてやらない方がいいと思っています。
5.志望校に合格できた
学歴って結構大事です。どの大学に入れるかで概ね人生が決まったりします。
部活を続けていたら、多分志望校に合格できなかったでしょう。志望校をもっと偏差値低い学校に変更するか、浪人してたかもしれません。
志望校に合格できなかった場合、多分、今務めている会社の正社員のイスにも座れておらず、もっと安い給料の仕事にしか、ありつけなかったでしょう。
部活をやってた人の中には、引退後の受験勉強も頑張れて、すごく成績が伸びて偏差値の高い大学に合格できる人もいます。
けど、引退する3年生から勉強して合格するのは一筋縄ではありません。
偏差値の高い大学を狙うライバルの私立中高一貫の子達は、2年生でカリキュラムを終えて3年では受験対策をバンバンやってるわけですから、普通はかないっこありません。
私は1年生のうちに部活辞めてから塾に入りましたので、大学受験に向けてどんどん勉強することができたのがよかったです。
6.バイトしてお小遣い稼ぎできた
短期の高校生でもできるバイトもいろいろあります。
アルバイトする時間もできて、少しお小遣いを稼ぐ事ができました。
大した金額を稼げたわけじゃありませんが、”働く事ってこういう感じなんだ”といい社会勉強になりました。高校生のうちに経験しておくと後々ためになると思います。
実際に働いてみると、自分の得意な事、社会に出た時に自分に足りなさそうな事が見えたりします。
部活を辞めるデメリット
一方、部活を辞めた事でデメリットもありました。
私の場合は、辞めた事で以下のデメリットがありましたが、今思えば、そこまで大したことじゃなかったかなと思います。
1.自分をダメなヤツだと思ってしまう
当時の私は根性のないダメなヤツだと思い、一時的に自己肯定感が下がりました。日本には、一度始めた事を辞めてはいけない、我慢して続ける事が美徳という文化があります。
どんなに大変でも、辛くても、続けられる事が素晴らしい事だと思っていましたので、その後の学校生活で少し引きずる事になってしまいました。
自分は敗北者、精神的に弱く、高校バレーで通用しなかったダメなヤツだと…。
部活辞めた人って、誰しも多少これと似たような心理状態になったりするものだと思います。
辞めた直後は、これで苦しみました。人によってはその後の人生にまで、ずっと引きずってしまうかもしれませんね。
最初からやらなきゃ、こうはなりませんので、そもそもやらなきゃ良かったと思います。1年生の4月の体験時点で”厳しそう、3年間続けられるかな?”と不安でしたので、その直感を信じて入らなければよかったんですよね。
でも、私の場合、時間が解決してくれました。辞めた後、時間の経過とともに、自己肯定感は回復していったと思います。
大学生になる頃には、”むしろ辞めた自分ナイス”、”素晴らしい選択をした”と思えるようになりました。やっぱり、あの部活は、特殊な環境でしたので。
2.周囲からの評価が下がる
辞めた直後は自分自身の評価もですが、親をがっかりさせたり学校の先生や友達、その他知り合い達からの評価も下がりました。
部活やっている子はすごい、活躍できる子はもっとすごい、やってないのは微妙みたいな風潮があるからだと思います。
なので、その時は一時的にスクールカーストの階層や序列もランクダウンしたと感じました。
3.同じ部活の友達・いい先輩を失った
部活を辞めると、基本的にはそのコミュニティとはサヨナラすることになります。
まあ、同じ部活の仲のいい友達とは、その後も付き合ったりしてましたけど、他の部員とは、ほぼほぼ関係が切れました。
よくしてくれた先輩、同じ部の同級生とはほとんど話すこともなくなりました。
嫌がらせされる事もなかったですし、辞めた人の事にはほとんど無関心で干渉される事もなかったので大丈夫でした。
4.学校での顧問の庇護を失った
顧問は確かに厳しすぎました。でも、学校生活において、部員達の大学等への進路(主に推薦等)について真剣に考えてくれたり、時には守ってくれていたと思います。
授業中寝てても、部活で疲れているからと運動部はあまり厳しく怒られませんでした。バレーの顧問がベテランの先生だったので特にそうだったんだと思います。教員間にもしがらみや先輩後輩もあるからかもしれません。
体育館の使用で問題があって、かなり年配の厳しい先生から部員数名が注意されていた時、ちょうど顧問がやってきて「それは私の責任です。すみません。ちゃんと指導しておきます。」とかばってくれたこともありました。
そういった庇護は退部と共に失ったと思います。
その顧問の授業を受けることはありましたが、特にえこひいきも、差別もされず、辞めた後は普通の一生徒になりました。
5.部活やその道のキャリアを捨てる事になる
私はそうじゃありませんでしたが、その競技でプロを目指せそうな人材とかだと勿体ないかもしれません。
うまく行けばプロになってお金をたくさん稼げるかもしれませんし、みんなに夢を与える事もできるかもしれません。
プロになれなくても、3年間頑張って実績を残せれば、大学の推薦を貰えたり、大手企業に就職できたりするかもしれません。その学校からのパイプにもよりますが…。
そういったキャリアは捨てる事になってしまいますので、その後は別の道で頑張るしかなくなるでしょう。
6.転落人生のリスクがある
”塾に行きたい”、”勉強します”と言ったのに、つい遊びすぎてしまった事もありました。塾のテストで酷い点数を取って、下のクラスに落ちた事もあります。
つい時間があるからと、遊びがエスカレートしすぎたり、悪い人達と知り合ってしまったりして、道を踏み外してしまうと転落人生が待っています。
そういうリスクもあると思いました。(これを防止するためにも部活があると、私の友達の教師が言ってました)
部活をしていれば、そこまで転落しなかったのに…って人も実際にいましたね。
ダメ人間になってしまわないように、自らを律する事ができるかどうか、ここ重要だと思います。
部活をやる事で得られる事
一方、部活をやって得られる事もいろいろあります。時々、部活を最後までやり遂げた人をすごいと思うし、羨ましくも思うこともありますね。
最後まで部活をすれば、例えばこのような事を得られたりします。
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- 企業への内定
- 学校への推薦の切符
- 部活を一緒にやってきた仲間や友達
- スクールカーストの上位にいられる
- 思い出
- 体力作り
- その道での技術や知識
- 精神的な成長
- 礼儀正しさ
- 協調性
- 忍耐力
しかし、これらのほとんどは部活してなくても、得る事は可能でしょう。
それに、個人的な価値観になりますが、部活頑張るよりも、勉強頑張って学歴を手に入れた方が、長い目で見るとハイリターン。
私も中学はしっかり3年間続けましたが、部活はそんなに意味がなく、あまり得られたモノはありませんでした。
でも、人にもよると思います。ポジティブに部活やってても、礼儀正しくない子もいますし、協調性がなく個人プレイに走る人もいます。
あと、ずっとネガティブな気持ちでやっていたり、適当に惰性でやっていたら、身に付くはずの事も、身に付かないかもしれません。
最後に
個人的には、現状の部活って教育にいいモノじゃないと感じますし、極端な話、部活というシステムが無くても特に問題なさそうだと思っています。
学校単位の部活ではなく、本気でやりたい人のためのクラブチームとか、楽しんでやる人向けのチームがあればいいのに…って思ったりしますが、現状、そうできる環境がほとんど整っていません。
部活があることで、やりたい生徒が参加しやすいように、といった面もあるのでしょう。
でも、先生も生徒も負担が大きいし、やりたくないのにやっている人の方が多いんじゃないかと思います。
私の場合は、やりたくなくなった部活を辞める事ができたので、楽しい学校生活を送る事ができました。その後、学力を上げて志望していた大学にもちゃんと合格できたし、大手企業に勤めることができました。なので、そこそこ幸せな人生を歩んでいると思います。
できればもっと早く辞めときゃ良かったと今更ですが思います。
本当に部活辞めたいなら、早めに辞めた方が良いと思うという話でした。ご参考にしていただければ嬉しいです。